Desafinado ディサフィナ―ド /鈴木 輪

2020年7月30日リリース
亀吉通販(BASEショップ)
店頭CDショップ:8月12日リリース(流通ディスクユニオン)

亀吉レコード(kame039)
3000円税別
鈴木輪(vo/cho)続木徹(p)⑥⑪以外,林正男(b)④⑥⑧⑨⑪~⑬,宇山満隆(ds)④⑥⑧⑨
⑪~⑬山崎洋一⑥⑪(p)上田隆志(b)①~③⑤⑦⑩⑭金子正則(ds)①~③⑤⑦⑩⑭

【録音】 2011年~2018年【Vocal録音】2019年~2020年【ミックス,マスタリング】2020年
【Recスタジオ】亀吉音楽堂 by上田隆志【カヴァーPHOTO】 山村隆彦【ヘアメイク】大森ユキ
【ビーチPHOTO】石丸智仁【ヘアメイク】マユミアヴィス at Oafu North shore
【グラフィックデザイン・プロデュース】鈴木輪

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しなやかに優しく心にしみるヴォーカル&ピアノトリオ。この夏、鈴木の心地良いボサノバいかがでしょうか?
良質の国産ジャズレーベルとして定評のある亀吉レコードの新譜。ヴォーカル+ピアノトリオの極上サウンド完成!2011年~2015年にリリースした鈴木輪のスロージャズ3部作 My Reverie(kame001) Blue velvet(kame009)I’ll close my eyes(kame013)はオーディオ評論家が選ぶ優秀推薦盤になり話題となった。Love Love Love Remix(kame014)に続く4年ぶりの待望のアルバム。BossaNovaを中心にベサメムーチョのようなラテン曲も取り上げ、情感豊かに歌い上げる。より深みを増した鈴木輪のヴォーカルの世界をご堪能あれ。



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しなやかに優しく心にしみるヴォーカルとピアノトリオ!
(2020年7月 亀吉レコード kame039)
  • 【アルバム紹介】
    良質の国産ジャズレーベルとして定評のある亀吉レコードの新譜は「しなやかに優しく心にしみる鈴木輪ヴォーカルとピアノトリオの極上サウンド」Desafinado・ディサフィナ―ドだ。
    オーディオ雑誌の評論家が選ぶ優秀推薦版に選ばれた鈴木輪のスロージャズ3部作と言えば、2011年リリースの"My Reverie・マイレヴァリー、"2013年リリースの"Blue Velvet・ブルーベルベット"、 2015年リリースの"I’ll close my eyes"瞳をとじて"
    それと対照的に、ソウルフルなスタイリッシュバンドサウンド2016年リリースの"Love Love Love RE-MIXに続くまさに4年ぶりのアルバム。
    本作の特徴は夏らしいボサノバ曲がが多い。それとLatin曲2曲にジャズスタンダードナンバーを加えた全14曲。
    選曲も良く、様々な鈴木輪のヴォーカルを楽しむことが出来る。
    アルバム1曲目。イントロからワクワクするアップテンポの"Triste"や7曲目"No more blues"(Chega de Saudade)はシンプルな歌い方の中いキラリと鈴木のセンスが光る。
    そして5曲目"小舟"というタイトルで馴染み深いが、原曲のタイトルは"O Barquinho"。
    英語タイトルは"My little boat"。鈴木の歌う"小舟"が涼し気な夏の風を運んでくる。
    英語詞でこの曲を歌う歌手はフランクシナトラぐらいだろうか?
    鈴木は「英語だと(ポルトガル語より)情景が浮かびやすいからボサノバは英語で歌います。」と言う。
    アルバムタイトル曲になった2曲目" Desafinado"は鈴木の声、雰囲気にとてもマッチする曲だ。
    しなやかに優しい歌がじわじわと迫る。セルジオメンデスの楽曲、3曲目"So many stars"は特にいい。しみる曲だ。
    この曲や12曲目"My one and only love"のような曲は音域が広く難しい曲だが鈴木はしっかりとした情感をたたえている。
    4曲目"Cheek to cheekはスピード感を持って小粋にスウィング。
    そして6曲目"I can't give you anything but love、13曲目"On the sunny side of the streetはストレートな歌唱、オリジナルメロディーを大事にしながら気の利いたフェイクで軽くスウィング。
    8曲目"Dream a little dream of meのエンディングは鈴木の口笛入りだ。
    「歌よりこっちの方がよくない?」と言って、遊びで口笛を吹いてみたら「それ、いいんじゃない?」となり採用された。
    11曲目"I've got the world on a string。こういうSlowly Swingは鈴木の一番好きで得意なテンポ。ラウンジでグラスを傾けながらゆったりと聴いてみたい。
    ラテン曲の2曲は10曲目"Besame Mucho"と9曲目"Tango Lullaby"。
    "Besame Mucho"は英語詞ヴァージョン。歌い出し「♪ベサメー、べサメ―ムーチョー♪」の鈴木の歌に息をのむ。
    もう1曲のLatin曲、Larry Wayne Clarkの楽曲"Tango Lullaby"はHalie Lorenの歌唱が有名。鈴木輪のタンゴララバイもなかなか良い。
    ピアノトリオの演奏も1発録りと思えない好演奏だ。
    全曲亀吉音楽堂、上田が録音。どの曲も丁寧にミックスされ、鈴木輪の歌の魅力が十分に伝わってくる仕上がりとなっている。
    14曲目"Whatch what happens"「何が起こるか見といて!」というミシェルルグランの曲をこのアルバムのラストに持ってきた。
    円熟味が増してきた鈴木の音楽に何が起こるのか?注目するとしよう。


  • オーディオアクセサリー誌・2020 秋号178「14人の評論家が選ぶ優秀盤オーディオグレード2020 in Autumn」に鈴木輪のDesafinadoが選ばれました。

    今季の特選!!(小林貢の推薦)」「亀吉レコードではジャズを学ぶ人に向けて教材用CDも発売している。本作は選別した歌抜きのバックに鈴木輪の歌をくわえた新作として発売された。録音時期、メンバーは異なるが、彼女のためのセッションを組んだ上で録音したと思われる完成度を実現している。(中略)ヴォーカルもバックのトリオも自然な質感捉えられ鮮度も高い。忠実度の高い装置で聴くと生演奏を聴くような気分になる。選曲や構成も絶妙で原曲と彼女の魅力的な歌を存分に楽しめる!
  • 無線と実験9月号レビュー→録音時期もメンバーも異なっているが、彼女のために新たなセッションで一発録音したような統一感のある内容とサウンドは 同レーベルの確たるポリシーでの録音と制作の賜物だろう。

    2015年11月号で前作「I'll close my eyes」を本欄で紹介した、鈴木輪の久々の新作。
    同レーベルでは教材用として歌入り、歌抜きのCDをリリースしているが、本作はその中から パフォーマンス性の高い演奏をセレクトし、彼女のヴォーカルをアフレコした作品である。
    録音時期もメンバーも異なっているが、彼女のために新たなセッションで一発録音したような統一感のある内容とサウンドは 同レーベルの確たるポリシーでの録音と制作の賜物だろう。
    エンジニアの上田隆志氏は著者がTBM(スリーブラインズマイス)時代に手がけた大型フュージョングループ「ZAP 」の2作の 録音後に加入したベース奏者で、本作でも6曲でベースを担当している。
    本作はバックがシンプルなピアノトリオだけに前述の作品と同様に彼女の魅力が存分に発揮され、馴染みのスタンダード曲と 夏に似合うボサノヴァナンバーを交えた、誰もが親しめる作品となっている。
    著名曲が集められた国内制作盤などを聴くと、初出作品や大ヒットしたアーティストの作品を聴きたくなることもあるが、原曲のメロディーを 大切にしつつ気負いなく自身のものとして歌う彼女の伸びやかなヴォーカルを聴くと、そのまま良いんに浸っていたくなる。
    バックのトリオも堅実な演奏で、同時録音ではないが、彼女を的確にサポートしているという印象を受ける。
    サウンドはどこにも協調感のないナチュラルな質感で捉えられ、音量を上げても刺激的な響きはなく、上質なライブを聴いているように感じる。
  • She'll Surely Touch You If You Only Have A Sensor In Your Heart (by 松本光正)

    鈴木輪の最新アルバム“Desafinado”は、あるスタイルの女性ヴォーカル好きには好意的に受け入れられるだろうと思う。大手レコード会社やマスメディアが好んで取り上げたがる日本のジャズヴォーカルに、もの足りなさや何かちがうという感じをお持ちの方は少なからずいると思う。私もそのひとりだ。日頃は1950~60年代のLPレコードでしか女性ヴォーカルを聴かない私だが、ずっと聴き続けているシンガーが一人だけいる。12年前、たまたま通りかかったpiano loungeで知った鈴木輪(当時は改名前の鈴木リエ)の歌だけは、聴くに値すると思っている。
     海外のオリジナルレコードを収集し始めて40年近くになるが、名盤だとかよく売れたという評判にとらわれず、自分の好みだけを基準とした。初期の頃は、マイナーレーベルからリリースされたrareな貴重盤に目が向きがちだった。しかし苦労して探し求めた高価なレコードも、大半は手放して今はない。結局、手元に残したのは、誰もがよく知るポピュラーな歌手のものが多い。たとえば、ダイナ・ショア、ペギー・リー、マーガレット・ホワイティング、ジュリー・ロンドンといった人たち。ややマイナーなところで、ヘレン・オコンネル、キティ・カレン、それにブロッサム・ディアリー、キャシー・カーなど。
    そうなったのは、彼女たちの歌は何度聴き返しても決して飽きるということがないし、必ずまた聴きたいという気持ちが湧き上がってくるという単純な理由からだ。彼女たちの歌には、際立つ実力やパーソナリティーが感じられるのはもちろんだが、ある一つの共通した点がある。私が女性ヴォーカルに求めるものはただ一つ、その声に聴き入ったとき、何ともいえない心地良さが心いっぱいに拡がるか、それに尽きる。そのような体験を初めてしたのはもうずい分昔、ペドロ&カプリシャス初代ヴォーカリスト、前野曜子の声がラジオから流れたときのことだ。「別れの朝」のサビの伸びやかな歌声-“言わないで なぐさめは 涙をさそうから 触れないで この指に 心が乱れるから”には心底しびれた。Her voice touched meというしかない。鈴木のアルバム“Desafinado”には、そんな想いを満たしてくれる曲がいくつかある。“この1曲”というなら、迷わず12曲目“My one and only love”をあげる。この曲は出だしの数小節が生命線だと思っていて、とりわけヴォーカルではその表現の仕方で良し悪しが決まる。鈴木はそこを“彼女ならでは”の節回しで歌いあげていて、期待をうらぎらない。この出だしを聴いて、特に感じるものがないというなら、私とは感性を異にするということだろう。好みは人それぞれだ。自分にぴったり合うアーティストを見つければよい。実はこの曲には忘れがたい思い出がある。2008年から丸4年間、毎日曜の夜、鈴木のピアノの弾き語りを聴くのを楽しみとしていたのだが、彼女はいつも私の幅広いリクエストに応えてくれた。多くはスタンダードで私の期待どうりのムードで歌ってくれたが、ただ1つリクエストがかなわなかった曲がある。それが、“My one and only love”。 彼女いわく、「ピアノの調音階が苦手なkeyなので」ということだった。その積年の願いが今回、このアルバムでやっとかなった。彼女なら、こう歌ってくれるだろうと期待していた以上の歌唱で、この1曲でこのアルバムは手放せないものとなった。
    ドリス・デイがアンドレ・プレヴィンのピアノソロで歌った“Duo"アルバムでの歌唱に引けをとらないと思う。
    アルバムに収録されているのは全14曲、全曲通しで聞くと1時間近くかかる。私は女性ヴォーカルをBGMのように聞き流すことはしないので、何曲かに分けて聴く。
    1日の疲れをいやす夜に聴きたいのは、スタンダードだ。“So many stars”、“I can’t give you anything but love”、それに“Dream a little dream of me”がいい。ロックグラスに注いだモルトウィスキーが、ゆっくり氷に溶けてゆくように静かに時間が流れる。“On the sunny side of the street”を歌う鈴木の声は、私にヘレン・フォレストの名盤やペギー・リーの10インチで聴ける名唱を思い出させてくれる。
     そしてまだ暑さが残る気だるい昼下がりには、ブラジリアンサウンドが合う。カルロス・ジョビンの1曲目“Triste”や“No more blues”もいいし、“Besame Mucho”もわるくない。かたわらにフローズンダイキリでもあれば、最高だ。ふと、晩年をキューバに近いカリブの島で過ごした、ヘミングウェイが愛したフローズンダイキリのことなどを思い浮かべる。タイトルナンバー“Desafinado”(Slightly out of tune)はボサノヴァサウンドがヒットした1963年に多くのシンガーがアルバムに収めている。ペリー・コモ、ジュリー・ロンドンが残しレコードは、今聴いても古さを感じさせない。鈴木の歌もそうなってほしい。
     バックのピアノトリオは曲によって少しづつメンバーが入れ替わるが、絶えずヴォーカルに寄り添って支えており、好ましい。一つだけ注文をつければ、Slightly Latinの曲はアコースティックギターの響きが加われば、さらにムードが高まっただろうと思う。  最後に付言として、鈴木のアルバムは録音スタジオの技術の高さに定評があり、配信で外出先などで聴くにはもったいない作品だ。高性能のオーディオ装置をお持ちの方は、音質のすばらしさを味わうのも楽しみの一つではないだろうか?    by 松本光正
  • The Walker's(Vol.62)レビュー

    ジャズシンガー鈴木輪の4年振りの待望のニューアルバムは夏っぽいボサノヴァ+ジャズ・スタンダードで贈る快作。
    1曲目を飾る“トリステ”~タイトルナンバーの”ディサフィナ―ド”とアントニオカルロスジョビン作の名曲が続き、3曲目はセルジオ・メンデスの”ソー・メニー・スターズ”と選曲も素晴らしく、鈴木輪のヴォーカルとの相性・雰囲気もマッチする。
    ”チーク・トゥ・チーク”のスウィング感、英語詞でしっとりと歌う”べサメ・ムーチョ”もいい。
    スロージャズヴォーカル3部作でも話題を呼んだが、このボサノヴァとジャズ・スタンダードによる極上の作品も話題となりそう。