宅録ミュージシャンのスタート その1

私がレコーディングエンジニアになったのは、完全に独学です。誰からも習わず、どのようなことをして、エンジニアになったのですか?と、聞かれることも多いので、今回はその話をします。

自分は高校時代にベースを弾き始めバンド活動を始めました。高校卒業後、すぐに知り合いの紹介で箱バンド(キャバレー、ダンスホール等で毎日演奏するバンド)の仕事を始めました。

それ以降は箱バンド以外に、色々なジャンルの歌手のバックバンドやレコーディング、オリジナルのバンドをやっていました。

そして30代半ば頃から宅録を始めます。

ドラムンベースというジャンルの音楽を聴いたことがきっかけでサンプリングに興味を持ち、AKAIのS2000というサンプラーとローランドのVS880というハードディスクレコーダーを購入。そしてドラムやパーカッションをサンプリングし、自分でベースを録音して遊ぶというのが宅録のはじまりです。

その後、マイクやマイクプリを購入。その頃、知り合いのデモテープ作りを手伝うことになり、VS880を持ち出してギターやキーボード、ボーカル録音も行い、自分でミックスしていました。

この音源を某レコード会社のディレクターが気に入り、有名エンジニアがミックスしてくれる!という機会に恵まれましたが、これはそれ以上の進展は有りませんでした。しかしポリスターレコードが興味を持ってくれてその頃恵比寿にあったスタジオで、楽曲制作が始まりました。とあるプロジェクトが、動き始めたのです。

売れるかも?売りたい!売れたい。という、色々なものが、うごめいてくると、色々な人が介入してきます。

自分はただ面白いことがやりたかっただけなのに何だか面倒くさくなり、そのプロジェクトはやめてしまいました。(そのプロジェクトはその後メジャーデビューしました)少しは話題になったようです。

その後、私はCubaseというソフトを使いコンピューターを使ったハードディスクレコーディングを始めました。宅録でCDを作った一番最初の作品です。

以前は、ミックスはメジャーなスタジオでやっていたのですが、この時は希望するエンジニアのスケジュールが合わずに、他のスタジオでミックスすることになりました。今、考えると希望するエンジニアの都合が合う日を待ってミックスしてもらえば良かっただけの話ですが、その時は、ヴォーカリストのスケジュールが合わず、リリースに間に合わなくなると言うので、知人の紹介のスタジオに行き、ミックスしてもらいました。

その作業の様子(Protools)をじっと見ていて、疑問に思ったことを質問してみましたが、「???」と、思うような返事が多く、正直、この時のエンジニアとのやり取りにがっかりでした。そして、これからはミックスも自分でやろう!!と、決心しました。

その後Protoolsの新しいバージョンHDが発売され、欲しいなぁ。と思っていましたが、高くてすぐに買えるような値段ではありません。

その後、ビジネスパートナーとなる、鈴木と銀行に相談に行きました。近所の信用金庫でしたが、その融資の担当の方が、とても良い方で、親身に話を聞いてくれました。

「では、購入したい機材の見積もりをとって、事業計画書を作成して一緒に持って来て下さい。」ということに。

資料をそろえて、ビジネスパートナーの鈴木と事業計画書を考え「一般の方の録音もする小さなスタジオ」として銀行に提出。当時のミュージシャンの自分にしては大きなお金を借りて、Protoolsやコンピューターなど諸々の機材を購入することが出来ました。

これからProtoolsでの録音、ミックスの格闘が始まります。

つづく、、、、。 (その2は近日記事を書きます)

この時、事業計画書を出した「一般の方にも貸す小さなスタジオ」というのは、自宅兼スタジオのことです。

なんと写真を発見!2000年頃か?

↓この出窓に面影があります。今の亀吉音楽堂のどこだか分かるかな?

来客用のソファーには愛犬達がいつもゴロゴロしていて、懐かしい。

スタジオと言っても、個人の小さなスタジオだったので、偉そうなことを書いた事業計画書とは裏腹に、一般の方への貸し出しと言っても、友達ミュージシャンの録音をお友達価格でという感じでした。隣に2帖の防音ブースがあり、そこで録音。現在の亀吉音楽堂Aスタジオの2Fにそのブースがあり活躍中。

↑(上の写真)写真は、現在の亀吉音楽堂のAスタジオの2F部分です。当時は1Fは住居でした。↓(下の写真)現在のスタジオは吹き抜けです。

↑宅録ミュージシャンだった頃の私。手には酒を。

今の亀吉音楽堂の1F部分。いつも犬がいました。イングリッシュスプリンガースパニエルのミニーと、フラットコーテッドレトリヴァーのマービン。(from ミニーリパートンとマービンゲイ)

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亀吉音楽堂は2010年にオープンした昭和の香り漂う路地奥のちょっと面白い造りのスタジオ。HPはこちら スタジオ沿革はこちらをご覧下さい。
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  • 2件のコメント

    1. 長く会ってませんね。
      生田時代にダルメシアンのコントネタを録音してもらったのは過渡期だったのですね。
      私も自分のデモ音源を作ることから始まって、カラオケ制作、歌入れと・・・
      特に防音とかしないままにレコーディングスタジオの真似事をしています。
      SSWから始めたのでアビリティを使ってます。
      またお会いできるのを楽しみにしています

      1. ご無沙汰しています。
        生田の時にそういう事もやりましたね!
        一時ベースをほとんど弾かない時期がありましたが、最近また練習しています。
        良かったらスタジオに遊びに来て下さい。

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